狙われし姫巫女と半妖の守護者
胸がチクチクと痛くなる。
私は胸のあたりをぎゅうっと掴んで、奥歯を噛み締めた。
「わかってます……。守ってくれたから……」
そんなのわかっている。
私がピンチの時、あの人は、如月紫希は、絶対来てくれた。
そんなのわかっているんだ。
でも、まだなんにもわからない。
七瀬くんは口をきゅっと結んで、何度も頷くと、静かにこんなことを言ったのだ。
「君は知らないだろうけど、紫希は何年も君を守ってきたんだ。アイツは不器用だけど、これからも君を守るから、不安に思わないでやってくれ……」
七瀬はそれだけ言い残すと、その場から跡形もなく姿を消していた。
魔法を使ったみたいに。
私は太い息をつく。
彼は、紫希は、私をずっと知ってたの……?
一体いつからだっていうの……?
私、彼のことなんてなにも知らないのに……。