狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は堪え切れずに両手を顔面に押し付けた。
手の内で、顔が泣きそうに歪んでいく。
ねぇ、まだわからないよ……。
ますますわからない。
そんなにも長い間、そして何度も、なんの得もなく、それも私の幸せのために、体を張ってくれるのはなんで……?
あの人にはなんにも、本当になんにも、私を助けなきゃいけない理由なんてないじゃない。
これじゃあ、守られるたびに私、辛くなる……。
一層喉がつまって、切なさに喉が小さく鳴いた。
その音に覆いかぶさるように、終業のチャイムが鳴り響く。
日直の号令が響いて、周りの生徒がイスを引きずり立ち上がる音が折り重なり合う。
私のイスの音だけはワンテンポもツーテンポも遅れてやっと音を出した。
全員が礼をしみんなの頭がまた下へ引っ込んでいくのに、私の頭は教室でひとりとびでたまま。