狙われし姫巫女と半妖の守護者


だって、小学生の頃から真央にはすごく助けられていたんだ。

今も真央との思い出は心に、鮮明に残っている。

*・*・*・*・*

あれは小学2年生の頃のことだ。

私の学年の中でも、随分と威張った男の子と同じクラスになったんだ。

彼はとにかく威張りん棒で、体格もよくて、他の男の子を引き連れて大将みたいになっていた。

クラスの中心で、それはもう周りのことなんて考えないで、男の子らしくがさつに騒いでいた風景がはっきりと思い出される。

もちろん、女の子たちは彼を嫌がって近づこうとはしなかったし、私だってそうしていた。

だけど、ここは山にへだたれた狭い田舎町。

私から遠ざかっても、嫌味な彼はすぐに私に目をつけてきた。

イヤがらせが始まったのは、ある日の昼休みから突然に。

ろう下で女の子の友達とおしゃべりをしていたら、イジワルそうに歯を出して笑いながら、その男の子が近づいてきたんだ。


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