狙われし姫巫女と半妖の守護者


仲間の男の子も一緒で、私の周りを壁みたいに取り囲んでいた。

『お前、あのおんぼろなおばけ神社の子なんだろ?』

私を威圧して笑った男の子にひやりとしている間に、友達はすうっといなくなっていた。

『あの神社、気味悪ぃよなぁ!』

『なぁ~!』

聞きたくもない大袈裟な笑い声が頭に響き渡っていた。

こうやって、イジメが始まったんだ。

それからは、顔を合わせるだけで彼らに笑われて、友達だった女の子も離れていった。

私はひとりぼっちになった。

この時から、自分の家の神社が嫌いになった。

普通の家ならよかったのにって、泣きながら叫んでお父さんに怒鳴ったこともあった。

そんな日々が、続いたんだ。

だけど、あの日を境に変わった。

そう、ヒーローみたいな女の子が現れたあの日に。


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