狙われし姫巫女と半妖の守護者


イジメが続いていたあの日々の中で、あの日を忘れたことは一度もない。

『おっ、おばけ神社のやつじゃんか』

『母ちゃんもいねぇもんな』

学校からの帰り道。

友達もいなくて、ひとりでしょんぼりと公園のブランコに腰掛けていると、あの男の子たちはまるで悪魔みたいに私の前に現れた。

本当は逃げ出したくて、だからなんなの!?って言ってやりたくて、でもできなくて……。

ブランコをつるしている鎖を握る手の力はギュッと強まるばかりだった。

ブランコをとめるために地面についた爪先は、悔しくて地面にめり込んでいった。

でも、彼らの酷い言葉は止まることなんて知りもしなかった。

『母ちゃんのおばけも出んのかぁ?』

『クラスにおばけ連れてくんなよなぁ。まったく気持ち悪ぃ~!』

目の縁が潤んできて、涙を落とすまいと堪えるのがひと苦労だった。

なんで、なんで、お母さんのことまで言われなきゃならないんだ!


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