狙われし姫巫女と半妖の守護者
いや、ちっとも早くなんてなかった。
一日一日、いたぶるようにわざとらしく、ゆっくりと時が流れている気さえした。
あの時の予感はまさに的中して、もう真央に声をかけることすらできなくなっていた。
目が合いそうになれば、お互いに目を逸らして避け合う。
昼休みは一番の苦痛の時間で、私は授業が終わるなり教室を出た。
けれど、そんな私を追ってきてくれる真央はもういなかった。
そう、私の望んでいたとおりに真央を遠ざけることができたんだ。
今日の帰り道だって、真央の通らない遠周りの帰り道をわざわざ通っているけれど、そんなことをする必要もないのかもしれない。
こんなありさまでも、真央を守ったと言えるのかな……。
私の足はまた、重くアスファルトの上に貼りついた。
私は結局逃げているだけなのかもしれない。
一人前に嘆いても、立ち向かおうとなんてしていない。