狙われし姫巫女と半妖の守護者
強く、乱麻くんの横顔を見る。
「姫巫女のことも、私が狙われてる理由も、みんなが守ってくれるわけも、全部、全部。もう、わからなさすぎてどうにかなりそう……」
「そりゃあね、紫希くんが過保護だからねぇ。遅かれ早かれ、知るのにさ」
私がやっと絞り出した問いに、イジワルげな響きを持って答える乱麻くん。
目の端で私をとらえながら、苦々しそうに微笑んだ。
その言葉をどう受け取ったらいいのかわからずに、私の瞳は揺れる。
「僕も紫希くんに首をはねられるのはごめんだからね。ギリギリのラインまでなら教えてあげるよ」
そう言い終えたのと同時に、乱麻くんはタイ焼きを口へと放りこむ。
私はごくりと唾を飲み込んで、乱麻くんの方へと向き直った。
乱麻くんは、優しいのかイジワルなのかわからない人だけど、この人に聞くしかない。
「あんたは、僕らの村にとって欠いてはならない存在なんだ。でも、汚い烏天狗があんたを奪い取ろうとしてる」