狙われし姫巫女と半妖の守護者


いったい私は何者だっていうのよ……?

苦しくて涙目になりながら、驚きの視線を乱麻くんへ必死に突き刺した。

すると乱麻くんは一瞬首を傾げたけれど、納得したように頷いてため息をつく。

「あぁ、悠長な人間と違って、妖怪の世界じゃ16歳が成人だから。僕も立派な大人だよ」

「いや、そうじゃ……」

小さな声で否定するけれど、乱麻くんは聞きもせずにまたタイ焼きをもぐもぐしている。

私はまたも押し黙ってしまった。

思考が追いついていかない。

私のために、私の知らないところで、私を守るための部隊が動いている?

信じられない話だ。

どこか有名な令嬢でもなく、おんぼろ神社の娘だ。

いくらあの伝説にゆかりがあるといったって、町の人はもう気にもとめていない、すたれた神社。

だから、身に覚えなんてちっともないのに……。

でも、私は乱麻くんを見てぼんやり考えた。


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