狙われし姫巫女と半妖の守護者


空になったタイ焼きの袋を静かに抱えたまま、乱麻くんの瞳は私をつまらなそうに見つめていた。

私はその視線に負けて、静かに目を逸らす。

ねえ、なんでなんだろう……?

真実に近づこうとすると、見えない壁にすぐぶち当たる。

私の周りにはガラスの壁がそびえたって、決して真実に近づけない。

あの人の袖の片隅でもいいから掴みたいのに、手触りも残さずするりと遠ざかっていく。

なんで、あの人はあんなにも遠いの……?

そのとき、湿気でしんなりしている袋を丸める気の抜けた音が、頭に響いた。

もうすぐ16年……。

その年数が、どうしても脳裏でリフレインする。

私は顔をしかめ、声もなく口をあっと開いた。

16年前だ……。

紫希がこちらの世界にきた。

彼らの村が烏天狗に襲われた。


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