狙われし姫巫女と半妖の守護者
私はなにかを堪えるように、眉根にぐっと力をこめた。
蛍光灯の下でありありと浮かび上がるしわが、私には切なかった。
なんにも思わずに食べてきたけど、お父さんが毎回ひとりで用意し続けてきたこのご飯。
家事はほとんど、私に負担させなかった。
お母さんがいなくても、私はただ呑気に女子高生をやれていた。
全部全部、お父さんのおかげだってわかっている。
だけど、私はもうすぐ16歳だ。
子供じゃないんだから、少しは頼ってくれていいと思う。
信頼して、教えてくれていいと思う。
私を洞窟に近づけたくないわけも、お母さんのことも。
そして、私が何者であるのかを……。
お父さんは絶対になにかを隠している。
もう、たったふたりしかいない家族なのに、隠し事をされることがどんなに辛いか、お父さんはわかっていない。