狙われし姫巫女と半妖の守護者
信じることしかできずに、お父さんの本当の言葉を待っている。
家族ならもう、全部を教えてよ……。
「それは、昔から教えてあるじゃないか……」
あんまりに、空っぽな言葉だった。
私の覚悟が、水中の泡みたいにとけて、消えていく。
お父さんへの想いも、これまでの年月も、ほろほろと崩れて、私にはもうかき集めることもできないほど失われていく。
みんながみんな、なにかを隠していて、私の目を、耳をふさいで、秘密にしている。
私はこの意識の水中で息もろくにできず、無様にもがいて、ひとりなにも知らないバカをやっていればいいの?
ううん、それでいいはずがない。
ただ守られて、にこにこと笑っていられる日々なんてとうに過ぎた。
だから私は、怖くても真実を知りたい。
いくら面と向かって素直にはなれないお父さんだとしても、このままでは、私はお父さんを信じられなくなってしまう。
全部を疑ってしまうようになる。