狙われし姫巫女と半妖の守護者
言いたくないことをも言って、真実を知りたいと願っているのに、お父さんはずるい。
「はぐらかさないで。私はもう子供じゃない! いつまで、ねえ、いつまで隠しておくつもり!?」
テーブルを叩き、悔しさに染まった声を撒き散らす。
怒りにまかせて、お父さんをきつく睨みつける。
「凛、なんで……」
「もういい! こんなの家族じゃないよ!」
私は立ち上がり、顔を背けて走り出す。
「待て、凛!」
お父さんが足をもつれさせながら追ってくる。
追ってきたってもう、話すことなんてない。
お父さんは、私になにも教える気はないんだ。
いつものスニーカーの踵なんて乱暴にはきつぶし、邪魔な扉も開け放って、私は夜に飛び出す。
「凛、凛!」
息せき切ったお父さんの声が背中に突き刺さる。