狙われし姫巫女と半妖の守護者
キズが、ただ痛む。
枯れ葉を掴んだら、手の平の中で簡単に壊れた。
さて、これからどうしよう。
私はぺたりと座りこんだまま、下唇をかみしめて、上を見上げる。
ああ、先の読めない私の未来みたい。
無数に伸びる木々の黒い手に埋め尽くされて、星なんてひとつも見えなかった。
するとふいに、妙な声が耳に入りこんでくる。
「人の子か?」
「ただの人の子の匂いではないぞ」
「うまそうな匂い。ケッケッケッケ!」
低く血に響くような声が、あたりに広がっていく。
金縛りにあったみたいに、体がこわばって動かない。
視覚を奪われたかのような闇の森の中に、耳をつんざくような高笑いが聞こえる。
「なっなに……!? 誰!?」
あらく息をしながら、周りに視線を走らせるも、うごめくものはひとつもない。