狙われし姫巫女と半妖の守護者
さとすように言う言葉をききながら、彼の刀が鞘に収まり身が翻るのが見えた。
私は我慢するように眉根に力を込める。
村を守るだなんて、そんな大それたこと少しも想像できない。
大きすぎるものを背負いこんで、あんなに孤独な目をして……。
紫希は、私の想像よりも、切ないほどにずっとずっと大人なんだ。
そんな紫希からすれば、私なんて子供なんだろう。
戦のある世の中なんて私には、うまく想像すら出来ない。
彼らとは住む世界が違いすぎる。
だから、いちいち説明するのも面倒なほど、私はひどく幼いんだろう。
でも私は、大人すぎる彼の袖の端を、しっかりと掴んだ。
彼は声もなく、怪訝そうに目を細める。
「待って。それでも私は、このままじゃいられないよ」
はなすまいと袖を握りしめ、彼の目に負けず視線を投げ返す。
そうだ、私は真実を知る決心をした。