狙われし姫巫女と半妖の守護者
力のこもる私の手の平は、なおもすがるように紫希の着物をしわくちゃにして握りしめている。
怖い。
けれど、もう逃げないんだ。
私は瞳を決して逸らさない。
「なにを勝手に喋ってる。俺は大人しくしていろと言ったはずだ」
「イヤだ。私は知りたい。私は子供じゃない。もう大人よ! 子供扱いしないで!」
煙たがる紫希に私は声を荒らげて吠えかかる。
悔しい気持ちが喉から溢れだしてくる。
でもその時だ。
紫希は私の肩へ急に掴みかかり、私の上半身は不安定にバランスを崩す。
声もあげられずに視界はめまぐるしく動き、私の背中は地面にぶち当たる。
「そんなに言い張るなら、わからせてやる」
低く殺気立った声が、鼓膜に響く。
私は目をありったけ見開いて、身を硬直させていた。
両方の手首を片手でまとめてねじあげられ、組み伏せられている。