狙われし姫巫女と半妖の守護者
化けの皮
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いつもと変わらず、教室にはチャイムが鳴り響く。
ゴールデンウィークあけ初の学校を終えて、側の席の乱麻くんは大きなあくびをひとつついた。
寝癖のついた赤髪が自由奔放に跳ねている。
私は俯き、イヤでもこの間のことを思い出す。
お母さんが姫巫女だったなんて、まだ気持ちの整理がつかない。
それも、烏天狗に命を奪われたなんて……。
掴んだはずの真実が、砂のようにサラサラと手からこぼれ落ちていくみたい。
そこまでのこと、思いもしなかった。
私は無力な自分の手の平をぼんやりと見下ろす。
こぼれ落ちていく代わりに、この手の中にどろりとした憎しみがわいてきそう。
今までに味わったことのない、汚い憎しみ。
だって、そんな烏天狗をどう許せというの?
でも、私はハッとして周りを見た。