狙われし姫巫女と半妖の守護者
資料の山は、ネクタイの下がる胸元へ。
片方の手は、私の方へと差し出される。
「なら、少し手伝って? 女の子にいっぱい荷物を持たせる男なんて、かっこわるすぎるじゃん」
私のすぐ横には、ほのかに赤いシャープな頬。
恥ずかしそうに外された視線。
まじましと見いってしまった私の頬が熱くなる。
「それに僕は、一緒に来てくれた方が嬉しいかな」
彼はそうして視線を戻し、目が線になってしまうほどの眩しい笑みを私に降り注がせる。
胸がほっこりとあたたかくなる。
そっと腕を引かれ、私は九条くんの横顔を見上げながら素直に立ち上がる。
なぜか、大きく包み込んでくれる彼の手が心地いい。
「さあ、行こう」
そう微笑んで歩きだす九条くんの広い背中。
彼の髪の、そして肩の輪郭が、キラキラと光を帯びて見える。