狙われし姫巫女と半妖の守護者
「ふん、こざかしい」
その時、私の目には余裕下につり上がる口角が見えたのだ。
寒気がぞっと背筋を走り抜ける。
必死の形相で、あと数十センチまで真央の指先が私へとのびてくる。
しかし彼は、片手で私をおさえたまま、あいているもう片方の手を一気に振り抜いた。
まっ黒な光線が指先からほとばしり、真央の腹に命中する。
「真央っ!」
軽い体はろう下へとすっ飛んでいく。
そんな中でも、真央の澄んだ瞳は私へと向けられていた。
吹き飛ばされながらも尚、必死な眼差しを私に送り続けて手を伸ばしている。
胸が張り裂けそうに痛い。
真央の華奢な体がろう下の窓の下の壁に打ちつけられ、力なく四肢を投げ出して横たわる。
「真央っ! 真央真央!」
喉が痛いほど名を呼ぶ。
神が覆いかぶさった真央の顔は唇さえうかがえない。