狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は激しく身をよじり、真央に駆け寄ろうと渾身の力を込める。
が、彼は喉の奥から笑いを漏らし、手の平からまがまがしい黒い気を放ちだした。
突然、ぴしゃりと大きな音がとどろく。
びくりと体を震わせながら周りを見れば、ひとりでに戸が閉まっていた。
真央の姿は少しだって見えない。
「なにをするの!? 今すぐそこを開けて! 真央になにをした!?」
腹にわき起こる煮えたぎった怒りが、全身を暴れさせる。
ダラリと横たわった真央の姿が脳裏をよぎり、私を突き動かす。
「人間ひとりのために喚くな」
彼は低く重い声で私を制した。
探れないほど深い闇色の目が輝きもなく、面倒そうに私をとらえる。
ひやりとするほど冷たい視線に、私は言葉をのんだ。
その間にも部屋の中はすさまじい音をたていた。
もう、目をみはるしかない。