狙われし姫巫女と半妖の守護者
もう一度、九条くんは厳しく言い放つと、2人の返事がとどろく。
そして、九条くんを筆頭に3人の烏天狗は床を蹴る。
見上げれば、頭上から降ってくる闇色の翼。
足がすくみきって私は一歩も動けない。
「下がってて! 俺らに任せて!」
七瀬くんは後ろ手で私を突き飛ばすと、こちらの3人も床を蹴った。
私は崩れながら、紫希をまん中に向かい打つ3人を見るばかり。
間もなくして、バチリとぶつかり合う音がけたたましく響いた。
頭上には九条くんが放った黒い光線がほとばしる。
その光をたつべく、紫希の刃が的確にふるわれる。
そのすぐ隣では、響が縦横無尽に黒い光線を解き放つ。
けれど七瀬くんの手から青白い炎が飛び交い、光線を打ち消していく。
乱麻くんは、残るひとりの烏天狗の攻撃を、ネコのようにしなやかに飛んで逃れ、2人とも室内をめまぐるしい速さで飛び交っていた。