狙われし姫巫女と半妖の守護者
私はそんな3人の後ろで、これでもかと体を丸めた。
丸めた体の中で、心臓が爆音のように鳴る。
いくら頭をおさえても音は聞こえ、びくつく。
なにかが破壊されて崩れ落ちる音、ガラスが割れる重なり合う音、刀のつばが震えるように悲鳴をあげる音。
頭が割れそうなほどに争いの音が響き合う。
今、蹲っている私の目と鼻の先で、命をかけた争いが起きている。
そんな時突然、冷めた笑いが争いの音に混じり聞こえた。
私は恐る恐る顔をあげる。
すると紫希の刀がカタカタと鳴き、食い下がりながら、刀のようにまっすぐにのびる光線をなんとか受け止めているところだった。
下駄は床の上を滑り、力だけで後退するのを阻止している。
紫希の着物はあちこち切れ切れになっている。
それでも歯を食いしばり続け、攻撃を刃たった一本で受け止めている。
心臓が、痣が、ずきりと痛んで私はいてもたってもいられず立ち上がる。