狙われし姫巫女と半妖の守護者
私の体は紫希のたくましい腕に巻かれ、後ろへと崩れていく。
私の横目に、紫希のさらりとした髪が、ほろほろと儚い桜のように舞う。
2人は、真上から降ってくるまがまがしい塊へ向け、受け止めるように大きく腕を広げている。
なにをしてるの……!?
なんでそんなことをしてるの!?
私は声を出せずに紫希の胸でもがき、ちぎれんばかりに腕を伸ばす。
背中に回る骨ばった腕は痛いくらいに強くなる。
私は声にもならない悲鳴をあげる。
そんなことをしたら、みんなが死んでしまう。
私ばかり守られて、みんながキズついてしまう……!
間もなく、爆発音がこだました。
花が散るみたいに、2人の体が床に落ち叩きつけられた。
眼前には、紫希のまっ赤に染まった肩がある。
「あああぁぁぁぁぁ!」