狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は絶叫する。
紫希に、床へおさえつけられたまま、私は手で、足で床を叩きつけもがいた。
こんなのおかしい。
悲しみと怒りと憎しみとがぐちゃぐちゃに混ざり合い、胸が張り裂けそうだ。
いまだ悠々と宙を舞う烏天狗が満足げに笑い、見下ろしている。
「離してよ、紫希! 私もう、耐えられない! なんでみんながキズつくの!? なんでこんなことされなきゃいけないの!?」
私は発狂する。
けれど紫希は私の手首をしっかりと床に貼りつけ、逃がさない。
かたい床でもがく体が痛い。
起きられない体がもどかしくて、私は更に言葉にならない声を撒き散らす。
「やめろ! 大人しくしていろ!」
紫希はそう叫ぶと、唇が白くなるほどに噛み締め、眉を歪めて、恨めしげに烏天狗を見上げた。
叩きつけられた2人は、体中キズだらけなのに体を起こそうと手で床を押し返している。