狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は床に縫いとめられたまま、目尻から涙を流した。
ま上には、いつもと変わらない学校の白い天井が見える。
でももう、私は普通で平和な世界にはもういないんだ。
もう、逃げることはできない。
私をおさえつけている紫希の袖は切り裂かれていくつもほころんでいる。
私を守るためにみんながキズついている。
私はただ怯えて、小さくなっているだけ。
だからみんなをキズつけている。
もう、紫希たちのキズも、真央の悲しい顔も、私は見たくない。
流れる涙が耳まで濡らす。
「さあ、とどめだ! 半端者など、消えてしまえ!」
その声に弾かれて首を起こせば、またあの紅い扇が天高く振りあげられていた。
もうそこには、黒いエネルギーの塊がすでに大きく育っていた。
胸の痣が焼け焦げるように痛みを増す。