狙われし姫巫女と半妖の守護者
第三章 記憶
かたき誓い
*・*・*・*・*
私は重い瞼を押し上げた。
目を容赦なく刺す強烈なオレンジの光。
私は目を険しく細め、瞬いた。
けれど、瞬きをするうちに目は慣れ、黒ずんだ木枠の窓が見えてくる。
そのまま視線を走らせれば、むしばんだように板の欠け落ちた一面焦げ茶色の天井がうつる。
照明器具ひとつついていない、殺風景な天井。
なんなんだろう……。
ふかふかのまっ白な布団が顎の下まできっちりかけられている。
気の抜けたあくびが漏れる。
頭がうまく回らず、瞼はとろりととけるように覆いかぶさってくる。
私は小さく呻きながら、右手をのばして目を擦ろうとした。
けれど、おかしな色の手首が間近にうつりこんで、私は手をとめる。
目をすっかり丸くして、手首を少しずつ遠ざければ見えてくる。