狙われし姫巫女と半妖の守護者
体が床へと打ちつけられる。
私は動揺で揺れる瞳で、自分の手をじっと見た。
指が細かく震えている。
でも慌ててもう一度手をつき押し返せば、今度は肘までがくがくと震え、もう体を起きあがらせる力すらない。
「ああぁぁぁ!」
悔しさのあまり呻き、手で床を叩きつける。
何度も打ち付ける手の平は、びりびりと電気がはしるように痛い。
私はいったいなにを呑気に寝ていたんだ。
どんなに歯を食いしばっても、歯がゆくて、わずかな隙間から苦しい声が漏れ出ていく。
「凛! どうした? 落ちつけ!」
床でへばっている私の頭上で、凄まじい足音が響いてくる。
するとあっという間に体を、両腕ですくいあげられた。
脱力している体が、ぎゅっと抱き寄せられる。
見たことのない濃い灰色の羽織りの下に、襟元がほころびた薄灰色の着物が見える。