狙われし姫巫女と半妖の守護者


パッと上に視線を移せば、まっすぐに私をとらえる力強い瞳があった。

思わず、襟にすがりつく私の手。

「真央は? ねえ、真央はどうなったの!? 私、行かなくちゃ!」

しわくちゃにきつく掴み、私は泣きっ面で紫希に食ってかかる。

手は震え、声は掠れる。

抱きあげられたまま動かない体がもどかしくて、胸が苦しい。

「あの娘なら大丈夫だ。幸い軽症で、七瀬が処置をし、家まで送り届けた。念のため今夜一晩は彼女の家を見張るように言ってある」

やっと深く息をする。

「よかった……。ありがとう」

情けない泣きそうな声になる。

私は紫希の目もはばからず、手の甲で潤む目元を拭った。

けれど、私はふと疑問を思い出し、紫希の顔を覗き込んだ。

「そういえば、ここはどこ?」

オレンジの光が差す窓からは、大きな木々が密集した森がすぐそこに見える。


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