狙われし姫巫女と半妖の守護者


私は触れることもできずに手をそっと引っ込め、小さくかぶりを振る。

これではまるで、命を差し出す従者のよう。

なぜ、彼がここまでしなくてはいけないの……?

「頼む。半妖の村に、来てくれないか?」

私は目を丸くした。

半妖の村……、紫希たちの村に……?

おもむろに顔をあげた彼と目が合う。

「もちろん、他の妖怪たちのようにお前の力を欲しているんじゃない。お前にはお前でいてほしいと思っている」

そうして尚、彼は真剣すぎるクリアな瞳で私を見つめるの。

私は息を忘れそうになる。

紫希のまっすぐな声以外ここには今なにも響かない。

「勝手なことを言っているのはわかっている。でも、烏天狗はお前を姫巫女としか見ていない。周りの人間の命を奪っても、お前を求めに来るだろう。結界の切れた村は、アイツらに必ず狙われるだろう」

言葉ひとつひとつが重くて胸に突き刺さる。

真央は容赦なく攻撃された。


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