狙われし姫巫女と半妖の守護者
「真央……、ごめんね……、本当にごめんね。ありがとう、真央」
白い布団に染みができる。
その時、そんな私を抱きしめるような声が、ふわりと奏でられた。
「凛。どうした?」
ちょっぴり鼻にかかった女の子らしい声。
いつも通りの真央の声。
「ねえ、真央、大丈夫だった……? 私、真央を巻き込みたくなかった。真央を守りたかったのに、結局できなかったよっ……。ごめん」
苦しくなる喉から声を絞り出す。
けれど、控え目な笑い声が耳をくすぐった。
その瞬間、私はハッとして、目を見開いた。
ニイッと歯を見せて笑う真央の笑顔が脳裏に浮かんだんだ。
「なに心配してんのよ。どんなにかわいくなっても、昔の私を忘れたわけじゃないでしょう?」
昔見たおかっぱ頭の小さな勇者が見える。
「あの泣き虫の凛が、今までよく抱え込んできたね」