狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は手の平を窓からの光にかざす。
光を透かして赤く色づくちっぽけな手。
私が握っていたのは、悔しさだ。
そして、なにより強く握りしめていたのは、守りたいっていう強い気持ち。
「凛は強いよ。理不尽なこと、許せないし、屈しない。凛は、泣き虫のヒーローだよ」
私はふるふると首を振る。
紫希みたいに鍛えられた手じゃない。
戦いを知らないやわな手。
でも、私はこの手にあといくつ、悔しさを、守れなかったものの重さを握ろうとしているのだろう?
その度に、私はきっと何度も後悔を重ねていく。
もっともっと胸を張れない自分になっていくのが、目に見える。
「友達としては、遠くの危ない所になんて行ってほしくないよ。でも、凛の答えはもう決まってるでしょ。話してたら、凛の望みはひとつ、はっきりと聞こえてきてた」
私はハッと目を丸くして、息をのんだ。
真央の声は、強い風。