狙われし姫巫女と半妖の守護者
強い風が身を切る。
それでも私は揺らがない。
だって、私はここで負けている場合じゃないから。
眩い空の下、私は宣言する。
「私は、みんなを守るために行く。私じゃ頼りないのはわかってるけど、頑張りたいの」
今度は手の平に希望を握りしめる。
芽吹いたばかりのキラキラした黄緑が、私の視界を埋め尽くすよ。
きっときっと、絶対に、光はあるはずなんだ。
「お願い、私にも頑張らせて。だから、連れて行って、紫希の村へ」
私は紫希から目を逸らさずに、力強い眼差しを注ぐ。
もう二度と逸らさない。
この真剣な想いが届きますように。
彼の瞳は揺れ、瞼を震わせながら目を細める。
感情の薄い顔に、瞬く間に苦渋のしわが刻まれる。
泣いてしまいそうに唇が歪んで、彼はすぐさま俯いた。