狙われし姫巫女と半妖の守護者
補足するように言い直しても、真央はろくに聞いていない。
ミニトマトのヘタをちょこんとつまんで、呑気に口へと放りこんでいた。
そんな真央を見て私はいじけて、ご飯をかきこんでやった。
「焼きそばパン! んにゃむにゃ……」
急に、右の方から大声が聞こえた。
何事かと右を向けば、それは一つ席を挟んだ右隣の席の男子から。
赤みがかった髪の男の子が額を机に叩きつけて突っ伏すところだった。
瓦でも割るような勢いで打ちつけられた頭は大きな音を撒き散らし、私は目をまん丸くする。
みんなの注目が一堂に集まり、くつくつと笑いが起こり始める。
驚いてかたまったまま彼を見届けていると、痛がる風もなく突っ伏したままでいる。
あちこちにはねまくった寝癖のような赤髪は全然動かない。
「寝てるの……?」
私は呆れ交じりに声を漏らした。