狙われし姫巫女と半妖の守護者
「ちょ、ちょっと、え~!?」
叫びもむなしく、私は屋敷の中に吸い込まれていったのだった。
*・*・*・*・*
私は光がさんさんと差し込む部屋で、大きな鏡台の前に座っていた。
いったい、これは誰だろう……?
私はそっと頬に触れ、頬に熱を持つのを感じながら、鏡をまじまじと覗き込む。
髪はゆったりと後ろで束ねられ、左耳のそばには煌びやかな金の髪飾りが揺れている。
そして、いつもよりふっくらと白い肌。
淡い赤色がのせられた瞼の端。
唇には、小さめにひかれた鮮やかな紅。
とても大人っぽくて、自分ではないみたい。
「お綺麗です、凛様」
「涼子様によく似ておいでで、とてもべっぴんさんでいらっしゃいますね」
ふいに、両側から女性にひとりずつ話しかけられてドキリとする。
私はかあっと頬が熱くなるのを感じながら、俯いた。