狙われし姫巫女と半妖の守護者
「わあ、巫女服姿きれいだね、凛ちゃん!」
「そそそそそそんなことないよっ!」
私はずるずると後ずさって、私を見ないでと体の前で手を振りまくる。
目に映るのは赤い鈴の紋が入った白い着物。
そして、目が覚めるような朱色の袴。
うちの神社でもしたことないこの格好。
着てるだけで変にドギマギして、手に汗をかいてしまう。
だけど、乱麻くんはイタズラでも思いついたみたいに、ニヤリと笑う。
いったいどんな攻撃をかますんだ!?
イヤな予感しかしなくて、自分の腕で恐る恐るバリアを貼る。
「へえ、馬子にも衣装ってやつだ」
心は凍りつき、腕はだらりと垂れ下がる。
それ、やっぱり変ってこと?
私は軽くノックアウト状態で、しょんぼりと肩を落とす。
「だから、乱麻っ! というか、紫希、お前もなんとか言えよ。凛ちゃん、綺麗だろ?」