狙われし姫巫女と半妖の守護者
いいんじゃないか、ただそれだけの言葉に、私の胸は単純に踊る。
急に恥ずかしくなって着物の袖で顔を覆う。
あの子を見たばかりなのに、そもそも私は紫希となんでもないのに、私はなんでこんなことぐらいでたくさん気持ちを揺らされなきゃならないんだろう……。
自分がちょっと情けないけれど、嬉しさを隠しきれずに顔はもっと熱くなって、困る。
そんな風に顔を隠していたら、縁側からスムーズな足音が聞こえてきた。
そっと腕を下げると、お世話をしてくれた二方と同じ着物を着た女性が、紫希の前で礼をしていた。
「守護隊の皆様、今、長老がお席につかれました」
「わかった。凛、行くぞ」
紫希はふたりを従えて、部屋の中を進んでいく。
私も慌ててそのあとにつく。
そうして、ふたりの女性が、障子の正面にある四枚の襖をするすると開け放った。
目の前に現れたのは、突き抜けるように長い和室。