狙われし姫巫女と半妖の守護者
恐ろしいほどの、至れり尽くせりサービス。
この村の人はどれだけ働き者なのだろう。
隙がなくて逆に少し疲れてしまった。
私はころりと寝返りを打って、赤ちゃんみたいに体を丸めた。
綺麗な桃色の着物を着せてもらって、美味しいもの食べて、なにもしなくて。
これでは力になりにきたのではなく、お客様としてきたみたい。
こんなはずではなかったのに。
私は力なく目を伏せて、唇を尖らせる。
障子がするりと開き、ちょこんと小さく正座する綺麗な女の子と視線がバチリとあった。
頬にそばかす、綺麗なお団子の髪。
私はあっと声を漏らしそうになる。
「お休み中でしたかっ、えっと、失礼いたしましたっ……」
「待って待って! そんなんじゃないです! どうぞ、そんな遠慮しないで入ってください」
私は大慌てで座り直し、バタバタと髪を撫でつけると、どうぞどうぞと手まねきした。
この人は、昨日、紫希に身を寄せていた女の子……。