狙われし姫巫女と半妖の守護者
そして、障子の枠に寄りかかろうとした時に、垣根の隙間から前の道を村の人が何人かせわしなく行きかっているのが見えた。
中には大きな荷車を転がしている人がいた。
目を凝らせば米俵やごろごろした野菜を山と積んでいる。
私はハッとして笑顔になり、大急ぎで縁側から降りて庭用に置いてあった下駄をつっかけた。
今度こそ、なにかお手伝いができるかもしれない。
私は裏庭から表へと回りこみ、大通りに飛び出した。
右からさっきの荷車が近づいてくる。
足を一歩一歩踏ん張らせて進んでいるのは、見覚えのある若草色の着物の人。
私は思わずあっと声を出して駆け寄った。
「七瀬くん! なにしてるの? 私手伝うよ!」
額に汗する七瀬くんは、目を何度も瞬かせる。
私はやっと馴染みのある人に出会えてにっこにっこ。