狙われし姫巫女と半妖の守護者
痣のあたりに針を刺されたような痛みが駆け抜けて、一瞬で消えていった。
「どうしたの? 凛、大丈夫?」
「大丈夫だよ……」
驚いて眉をひそめ聞いてくる真央に、私は短い返事をする。
本当は胸に不安が広がって、痛んだ痣のあたりをそっとなぞってしまう。
彼が通ったから? それともまたあの化物が近くに?
鼓動は速まって、視線をあちこちに張り巡らせる。
「なにかあるの、凛……」
真央は未だに心配そうな顔で、私の目を覗き込んでいた。
それに気づいて私は無理矢理笑った。
「ちょっとこれが見えたのよ。な~んちゃって」
おどけて幽霊のまねをする。
「なによ、からかわないで。心配して損した」
真央は大きく息をつくと、怒ったみたいにプイとそっぽを向いてしまった。