狙われし姫巫女と半妖の守護者
でも、それでも真央を巻き込みたくないと思った。
私は痣の前で拳をギュッと握る。
手の平の中で指が微かに震えた。
こんなわけのわからない危険なことに真央を巻き込めない。
私はこめかみにつたう冷たいものを拭って、いつもの調子で真央に話しかけてみた。
「それよりさ、真央はこの学校のイケメンな先輩知らない? たとえば剣道をやっているような……」
唐突な質問に真央は首を傾げた。
イケメン情報に強い真央だ。
着物の彼を真央が知らなければ、あれはただの錯覚になる。
「先輩で? うーん、ちゃらい感じの水泳部の先輩はそこそこかっこいいって聞くけど、あんまり」
やっぱり、私の見間違いだったのかな?
「ていうか凛からこんな話が出るの珍し過ぎ。凛が唯一興味あるのって雨宮先生だけかと思ってた」