狙われし姫巫女と半妖の守護者
真央は口角を釣り上げて、さっきの仕返しといわんばかりに私の顔をじっくりと見た。
頬が急にあつくなる。
「別に興味もないし、雨宮先生はそんなんじゃないもん! 真央だって知ってるでしょっ」
「わかってるってば~。でもそんな風に焦られるとね、からかいたくなるものよのう」
悪代官みたいにくっくっと笑うおやじみたいな真央。
思わず私は頭を抱える。
完全にのせられた。
「ほらもう5時間目始まるよ。片付けて~」
もう無視してお弁当箱を片付け始めた。
「凛はすぐむきになるんだから~」
真央はまだ茶化しながらやっと片付け始める。
私はそんな様子にほっとしながらも、もう一度痣のあたりをおさえた。
痛みもなく沈黙する痣はもう何も教えてはくれなかった。