狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は震える手が恨めしくて、醜く歯を食いしばる。
その時、震える手が包まれて私は驚きのあまり飛び上がった。
取り落としそうになるとっくりにあっと声が上がる。
でも紫希の手が私の手ごと難なくつかみ取ってしまう。
突然私の前に身を乗り出して俯く紫希に、思わず声を失う私。
「手、冷えてる。こんな薄着でいつからここにいんだ……」
掠れきった声がわずかに聞こえてくる。
様子がおかしいと思って、私は開いている手を紫希の肩にかけようとした。
だけど紫希は私の手からとっくりをはなさせる。
そしてその手を思いきり自分の方へと引き寄せた。
背中にきつく腕がまわる。
私の顔は紫希の胸に埋まり、後頭部まで優しく包まれた。
「紫希!? ちょちょっと、酔っ払ってるの!?」
私は紫希のかたい胸を慌てて押し返しながら、金切り声で叫ぶ。