狙われし姫巫女と半妖の守護者
苦しさに声がつまりそうになる。
私はずっとこのことを悩んで、ずっとずっとここに座って、なにも見えなくなってしまった空を眺めていたんだ。
でも、実際の戦を知ることができるわけはなく、答えなんて出なかった。
「私は甘かったんだって、思い知った。本当の本当に戦を知らない私は、この村の人の気持ちなんて少しもわかってないのかもしれない。お母さんの強さにも絶対及ばないの……」
私は紫希の着物を掴み、声を殺しながら泣いた。
闇の中で心はすっかり迷子。
ここに来た意味さえ、もうぐらぐらに揺らいでいる。
そんなので、私は立っていられない、きっと。
唇を結んで泣く私を、紫希はゆっくりとはがした。
そして、潤んだ私の瞳を穏やかに見下ろした。
「だったら、見てみるか? 妖力を使えば、俺の中の記憶を映像としてお前に見せることができる」
私は無理に結んでいた口を開き、紫希を見つめ返した。