狙われし姫巫女と半妖の守護者
歪んだ信念
*・*・*・*・*
光が幾度も瞬いた。
やっと瞼をしっかり押し上げると、黒い柱の入ったまっ白な壁がうつる。
左前には銀色の羽の装飾が施されたまっ黒な漆塗りのような襖。
なにも置かれていない畳敷きの広い部屋。
半妖の村の部屋とは違いすぎる。
ここは烏天狗の城?
私はやっぱり誘拐された?
乱麻くんは!?
私は立ち上がろうとするけれど、腕が思うように動かない。
目を見開き、背中を振り返る。
手首が太い縄で何重にも拘束されていた。
「んっ! くっ!」
私は焦って歯を食いしばり、背を預けさせられていた壁に、手首を擦りつける。
でも、びくともしない。
憎らしいくらいしっかりと結ばれている。
「やっとお目覚めだね、囚われの身のお姫様」