狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は目を大きく見開いて、そこにうずくまる人を見下ろす。
そして、懸命に首を横へ振る。
「わかんない。わかんないってば、雨宮おじさん……。烏天狗に酷いことされて連れてこられたんでしょ? ねえ、そう言ってよ、お願いだから!」
私は体を折り曲げて絶叫する。
これはきっと悪夢かなにかだ。
真実のはずがない。
でも雨宮おじさんは頭を上げない。
畳の上をすべる拳がすすり泣くような音をたてる。
「凛ちゃんのお母さん……涼子さんが、あの日赤ん坊の凛ちゃんを連れて村を訪れるとリークし、戦の手引きをしたのは、俺だ……」
全身の力がずるりと抜け落ちる。
体力もなくて私は頭をもたげる。
「なに言ってるの……、雨宮おじさん……」
私は壊れたみたいに半笑い。
リーク……?
戦の手引き……?