狙われし姫巫女と半妖の守護者
私は全身を振り乱して声をかきならす。
「あなたは、あの村で強く生きる人たちとともにあったお母さんの優しさを、誇りを、その手で握りつぶしたのよ!!」
自分の鼓膜さえ破れそうな声が、響き渡る。
痛々しい声を出しながら、私の頬はすっかり涙に濡れていた。
悲しくて悔しくて、絶望しても、まだ流れる涙がこんなにもあることが、悲しい。
私はまたお尻を畳に貼りつけ、涙に歪む視界に、前を向く意気地もなく俯いた男の頭をうつした。
そして涙に濡れたため息を漏らす。
私はなぜ、お父さん疑ったのだろう。
貧乏神社でも、お父さんはお母さんから引き継いだ神社を、境内にゴミひとつなくきれいにしていた。
私にいつもご飯を作ってくれていた。
口を聞くのが面倒くさくても、毎日一緒に食卓を囲んでいた。
なんだかんだ言っても、世界にひとりの私のお父さん。
お母さんの愛した人。