狙われし姫巫女と半妖の守護者
自身の唇からこぼれた残忍な言葉の響きが、するり風に舞う。
琴弥はその場にかたまり、眼を大きく見開いて、声を失っていた。
静かに怒りの炎を燃やす私の頭上で、空は見渡す限り紅色に燃えさかっている。
私は怒り色の空さえ味方につけて、私の戦いをやりとおす。
決して瞳の強さを緩ませない。
でも琴弥は我に返ったように険しく目を細め、近寄ってくる。
そして、突如乱暴に胸ぐらを掴まれ、首がしまった。
思わず体がびくりと跳ねる。
ひやりとするほど冷たい瞳が私を睨み上げていた。
体から一気に冷や汗が吹き出す。
「随分と大それたことを言うな。はったりか? そういえば守り鈴とやらを見かけていないが、お主、本当に持っているのだろうな?」
でも私は落ち着き払う。
私の着物の襟元をひねりあげる彼の手に、私はやんわりと手を添えた。