狙われし姫巫女と半妖の守護者
乱麻くんと七瀬くんの元へも黒い翼が飛んでいく。
私はやっと我に返る。
おろおろと瞳を揺らす。
このままではいけない。
3人の命が奪われる!
私は思いきり足を蹴り出した。
絶対に絶対に奪わせはしない。
そして、琴弥の羽織りへ死に物狂いで手を伸ばし、力のある限りしがみついた。
「ねえ、お願い、3人を見逃して! 私が3人を説得して帰らせるから。だから命だけは! お願い! 私は必ず逃げ出さないと約束するからっ!」
敵の背中に追いすがって、私は泣きじゃくる。
何度も何度も力をこめそびえる背中を揺する。
耳には、聞くに堪えない攻撃の音が幾重にも重なって飛び込んでくる。
お願いだ……、私はどうなってもいいから、あの人たちに手を出さないで。
私は必死だった。