狙われし姫巫女と半妖の守護者
全軍が参列席の後ろへとなだれ込む。
紫希は黒い光線の集中砲火を免れ、刀を杖のように地面へ突き刺して、血のにじむ肩を急におさえ、顔を歪めていた。
脚からも鮮血がにじみ出ている。
私は自分の胸を抱きしめ呻く。
彼がまたキズだらけになっている。
苦しげに上下する肩。
突き刺した刀が震えている。
そんな体で戦うなんて無茶だ。
でも間髪いれずに、地に響くような声は轟く。
「まずは紫希、俺の手でお前の息の根を止めてやる」
なんの重みもなく滑らかに動く口元が、悪魔に見えた。
琴弥の突き出した手の平から、黒い力の塊が今にも離れて飛びそうだった。
紫希はまだ剣を地に刺したまま。
やっと顔をあげたところ。
間にあわない。
黒い光線がついに手を離れた。