狙われし姫巫女と半妖の守護者
「ダメッ!!!!」
私は叫ぶ。
足が一心不乱に地を蹴った。
風より早く壇上から飛び降りて、紫希の前へ思いきり身を投げた。
やっと大きく目の前に、紫希の顔が映る。
「凛!!」
彼が痛々しげに顔を歪めて、私の名を呼んでくれた。
私は泣きながら笑う。
その瞬間、強烈な痛みが肩を貫いた。
痛みが体の中を駆け抜ける。
頭がまっ白になる。
肩が引き千切れそうだ。
でも、頑張って開いた眼に、ちゃんと立っている紫希の姿が映っている。
痛みで浸食されていく中、私は不思議だけど笑みをこぼした。
あなたが無事で、よかったと……。
やっと少しだけ力になれただろうかと。
体が地に落ちる。