狙われし姫巫女と半妖の守護者
でも、痛みに侵された体がたくましい腕に抱きとめられた。
痛み体がしびれている。
だけど私は懸命に息をし、見上げた。
「凛! 凛! 大丈夫か!? 気をしっかり持て! 凛!!」
紫希の大きな叫びが、鼓膜をこれでもかと叩く。
いつも静かな目に涙をためて、私の頬にその雫を落とす。
体に回された腕があたたかい。
やっと間近で見れた顔は、苦しみに歪んで、私よりも痛々しい顔だったけれど。
私は痛みにあらく息をつき、弱々しく微笑む。
紫希がそんな顔しなくていいんだよ、そう言いたくて。
こんな風にか力になれなくて、役立たずでごめんねって。
でも、あなたの腕に抱かれて、私は幸せだよ……。
涙が頬を伝った。
「バカな女だな。半妖なんぞを守るために捨て身で。くだらない。だが、使い物にならなくなった姫巫女などどうでもいい。お前も最期に無様な姿をさらしたらどうだ? 真の姿を」